ミラノ・コンソート無事終演

先日、ミラノ・コンソートのコンサートを無事に終えることができました。お越しくださった皆様、本当にありがとうございました。

今回特に印象に残ったのは、伊左治直さんに委嘱して完成した新曲《蛇状曲線形》でした。この曲は前衛的なスタイルで、演奏にはかなりの集中力が必要でした。全身全霊で演奏していると、客席の皆さんもぐっと集中して聴いてくださっているのが伝わってきました。会場全体が緊張感に包まれた特別な瞬間を共有できたことは、演奏者として何よりの喜びでした。

その後、ヴィヴァルディの《春》のリコーダー編曲版を演奏しました。この曲が始まると、皆さんがリラックスして楽しんでくださっているのを感じました。実は、第3楽章の短調部分にはとてもユニークな和声進行があります。ヴィヴァルディはバロック時代の作曲家ですが、当時としてはかなり斬新な試みだったのではないでしょうか。現代の私たちには馴染みのある響きでも、当時の聴衆にとっては衝撃的だったはずです。

音楽は、こうした挑戦の積み重ねによって進化し続けてきました。そして、これからも新しい可能性を切り開いていくのだと思います。その歴史の1ページに関わることができたことを、大変光栄に思います。