6月の庭 オーナメンタル・グラスたち

今年は久しぶりの涼しい6月でしたね。私は梅雨のしっとりとした雰囲気が好きです。アメリカ留学中、夏休みで6月に日本に帰ってくると、広重の木版画に出てくるような、縦の線でしとしとと降る雨の様子が日本らしくていいなぁと思いました。

花の競演が一段落した6月はオーナメンタル・グラスたちが輝く季節です。

スティパ イチュー Stipa ichu

シルクの光沢をまとった細長い穂が出始めるのが6月上旬。中旬頃からは穂が熟してふわふわになります。草丈は75cmほどですが穂は1mほどの高さで咲きます。種が飛んだ後の穂も、庭の造形として晩秋まで楽しんでいます。我が家の庭は「風のガーデン」ならぬ「強風のガーデン」。すごく風当たりが強く、建てて2年目の秋の大型台風でフェンスが壊れてしまったほどです。そこで風を逆手に取って、風に揺れる動きを楽しめて、かつ倒れにくい植物たちを植えることにしました。普通なら色、高さ、形を考えますが、「動き」という観点はピート・アウドルフさんの本で学んだもので、目から鱗でした。スティパ・イチューは風に揺れる様子が本当に美しく、眺めているととても癒されます。

スティパ エンジェルヘア Nassella tenuissima ‘Angel Hair’

こちらは高さ60cmほどで咲きます。どちらのスティパも葉が細くて周りを邪魔しないところが気に入っています。

グラスの難点を敢えて言えば、毎年夏にコガネムシの幼虫に根をほとんど食べられてしまい、秋の植え替えのときに捨てなければいけないものが多いことです。グラスの根は細くておいしいようです。今まで無農薬で育ててきましたが、今年は幼虫が食べ始める8月に薬を使おうかと検討しています。

5月下旬の様子

ネペタ チューべロサ Nepeta tuberosa

細長い形のものを入れたくて試したところ、秋に植えて翌年の春からぐんぐん伸びてあっと言う間に花壇の骨格を作ってくれるすばらしい花材であることが判明。乾燥した場所を好みます。過去2年は空梅雨だったのでよかったのですが、今年は長雨のため、湿気で茎がしなり、乾いては戻り、を繰り返すうちにクネクネとした不思議な形になってしまいました。去年は真っ直ぐだったので秋まで造形を楽しみましたが、今年は仕方なくカットバックしました。

ガウラ ソーホワイト Gaura lindheimeri ‘So White’

5月中旬から咲く真っ白なガウラで、高さは1mくらいになります。白蝶草という名前の通り、ひらひらと蝶が舞っているような印象です。こちらも風に揺れるけれども雨で倒れにくい植物。伸びて格好がつかなくなったら切り戻すと、3週間ほどでまた同じくらいの高さで咲いてくれる優秀な子です。

ダイアンサス カルシアノルム Dianthus carthusianorum

こちらも5月中旬から咲く花です。濃いピンクの小花がポンポン状になって長い茎の先に咲きます。こちらも茎がしっかりしていて、雨でも倒れにくいのでお気に入りです。本来は50cmくらいの高さで咲きますが、我が家では80cm〜1mくらいで咲くので、ガウラと混植して色を添えています。

バーベナ メテオールシャワー Verbena bonariensis ‘Meteor Shower’

背の低い園芸品種のバーベナ。青みがかったやさしいピンク、丈夫な茎の先に付いた小花が風にそよぐ姿が自然風でとても好きです。6月上旬に満開になり、ずっと咲き続けています。

実は昨年秋、ここに三尺バーベナを植えました。1mくらいで咲くことは承知で植えたのですが、5月になると、1.5mの高さまで伸びてしまいました!さすがに他の花と高さが合わないので、残念ですが最初の花を楽しんだ後に抜き、メテオールシャワーに入れ替えました。

抜いた三尺バーベナを切り花にしてみたところ、とてもいい香りがしました。蜂や蝶が好むというのもうなずけます。ただし、花瓶に生けた後、小花が後から後からポロポロと落ちてきて、切り花には向かないことが判明しました。何でも物は試しですね。

アリウム ミレニアム Allium ‘Millenium’

日向を好みますが、敢えて半日陰のエリアに植えています。日向では20cmくらいで咲きますが半日陰では徒長して40cmくらいまで伸びます。この高さが丁度いいので、こういう使い方もありかなと思っています。アリウムの花は終わると線香花火のような形の花がらが残ります。後ろに見える、アスチルベの花がらと共に秋まで造形を楽しんでからカットバックします。

アスター メンヒ Aster × frikartii ‘Mönch’

昨年アスター・トワイライトという品種を試したのですが、色がぼんやりして目立たなかったので、ピート・アウドルフさんイチオシのアスター メンヒに入れ替えました。鮮やかな薄青紫、4cmほどの花が戯れるように咲いて色の背景を作ってくれます。主役にも脇役にもなれる、リコーダー・カルテットで言うとアルト・パートのような存在ですね。

ではまた7月の庭でお会いしましょう。