私のリコーダーコレクション②

ソプラニーノ・リコーダーを紹介します。

メーカー:モーレンハウエル
品番 :5020
購入年:2014年
タイプ:バロック
サイズ:ソプラニーノ F管
材質 :パリサンダー
運指 :モダン・フィンガリング、バロック式
6・7番孔:ダブル・ホール
ピッチ:a’=442Hz

楽器について:
18世紀前半にニュルンベルクで活躍したヤコブ・デンナーの楽器を元にしたモーレンハウエルのデンナー・モデルです。フィリップ・ヤング*1が書いた楽器リスト(1993年)の中にヤコブ・デンナーのソプラニーノはないので、おそらくモーレンハウエルはいくつかのアルトやテナーなど現存する楽器を元に設計したと思われます。

材質のパリサンダー(ローズウッド)は「比重1.05、バランス良く、力強い」*2のが特徴です。

ヴォイシングは広すぎず、狭すぎず、多くの方にとって吹きやすいと思います。特にF(運指02)から上のCまではきらびやかな艶のある音色で特に美しい音域です。

エピソード:
昨年斉藤さんとお話した時に、小さい楽器ほど比重が大きい材質のほうがより適しているとおっしゃっていました。言われてみれば!と目から鱗でした。

小さなソプラニーノと大きなバスで比較しながら説明するとわかりやすいかと思います。

軽い材質(比重が小さい材質)でできたソプラニーノは壁が薄く全体の体積が少ないので、より軽い音になります。一方で、バスは壁が厚く全体の体積が大きくなるので、厚みのある音になります。

逆に重い材質(比重が大きい材質)でできたソプラニーノは壁が薄くても密度があるので、丁度良い響きになります。一方で、バスは固い重厚な響きになる、というわけです。

現在英語版カタログ*2に掲載されているソプラニーノは下記の3種類です。リコーダーの選定の際には、比重も一つの参考にしてみてはいかがでしょうか。

5006 ペアーウッド (比重 0.65)
5020 ローズウッド (比重 1.05)
5022 カステロボックスウッド (比重 0.8)

*1) Young, Phillip T. : 4900 Historical Woodwind Instruments. London: Tony Bingham, 1993.
*2) モーレンハウエルの英語版カタログより