公演を振り返って リコーダー・カルテットの色彩 vol.3

先日無事にリコーダー・カルテットの色彩 vol.3 のコンサートを終えることができました。多くのお客様にお越しいただきありがとうございました!同仁キリスト教会はとても音響が良く、リコーダー・カルテットと相性が良いと感じました。

毎回、あまり知られていない曲で、リコーダーで演奏すると美しいものをリコーダー4重奏にアレンジしてプログラムに入れることを意識しています。前回はブクステフーデのオルガン曲「パッサカリオ」と「チャッコーナ」を浅井さんのアレンジで演奏しました。今回はベンジャミン・ブリテンの混声合唱曲「5つの花の歌」をそのままSATBで演奏しました。

合唱曲は各声部の音域がリコーダーの音域にうまく合うため、アレンジ不要でそのまま演奏できるものが多いです。これはルネサンス時代にも行われていた手法ですね。もちろん、歌詞の内容をリコーダーでお伝えすることはできないのですが、歌詞に沿ったタンギング・シラブルやアーティキュレーションを用いて、あたかも歌っているかのように演奏することを目指します。

ブリテンは20世紀を代表するイギリスの作曲家で、土台はクラシックですが、前衛的な現代音楽にも興味を持っていました。この曲の中にもとても面白い和声進行が沢山出てきます。私のお気に入りは
4曲目の「月見草」です。短いフレーズを積み重ねていくのですが、終止のたびにいろいろなアプローチでその終止和音に到達するのです。何通り違うやり方で終止を作れるか実験しているように思いました。

伊左治さんの新曲は次回のコンサートでお届けすることになりました。そちらの進捗も、また4人での音楽作りも楽しみに、来年も同じ時期に企画いたします!